虹の工房・色のない世界・ある場面「湖の虹」


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色の無い世界
ある湖で・・・
湖の真ん中の 深い場所で 大きな魚は ゆっくりと 目を開いた 「うーーーーん なんだ あの音は・・・ うーーーーーん なんだ あの色は・・・ 色? いろ・・・ ・・・ ・・・ そおいえば 昔・・・ この湖にも・・・ 青空の色・・・ 木々の若葉の色・・・湖のほとりの岩の色・・・ さまざまな色があったような気がする・・・」
大きな魚の心の中に 何とも説明のつかない 懐かしさが湧き上がってきた 大きな魚はゆっくりと 尾びれを動かすと 水面目指して泳ぎだした 水面に近づくと 微かに昔の色の記憶が よみがえった 魚の目に 蜃気楼のように 昔見た水の色が 広がった この色だ 昔見た水の色・・・ 魚は嬉しさに 水を蹴って躍り上がった 空中に躍った 魚の目に 月の光が差し込み キラキラと光って見えた・・・ 水中に戻った 魚の目は いつまでも月の光のせいか いや 涙のせいか 光って見えていた・・・
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